観光庁は11月19日、観光分野における「ワクチン・検査パッケージ」技術実証結果の概要を発表した。実証期間中、パッケージ旅行参加者972人、宿泊施設利用者7413人の9割以上がワクチン接種証明を利用。ツアー・宿泊施設の運用についても混乱はなく、参加者・事業者ともに「安心感がある」と肯定的な意見が多数を占めた。
パッケージ旅行の技術実証は10月8日−11月14日の期間に11社40件のツアーで実施した。旅行会社の店舗窓口、予約サイト経由でも購入時にワクチン証明または検査結果を提示することを宣誓させ、ツアー集合場所で証明・検査結果の提示を求めた。
接種証明による参加者は822人(84・6%)。証明書について紙コピー、写真で持参した参加者が約8割だった。パッケージによって90%以上の参加者が安心感を得られたと回答した。
一方、宿泊施設は10月15−30日にチェックインした人を対象に23社108施設で実施。接種証明が7382人99・6%で、原本持参者が65%を超えた。
事業者側からは、検査結果通知書の様式を統一することや証明書の確認ポイントを整理したマニュアル化など、現場の負担軽減を求める声が多かった。また、参加条件を満たさない場合の対応の明確化、参加条件の周知徹底が重要との意見が目立ったという。
旅行会社からは、参加者が多いツアーでは確認に時間を要するため、集合時刻を早める必要があるという指摘。宿泊施設のなかには、独自に検査体制を構築することは検査場所の設置・運営に係る施設側の負担が大きいとの課題を指摘する声も挙がった。
これら技術実証の結果を踏まえて観光庁ではガイドライン(トラベルニュースat11月25日号1面参照)に反映させた。
なお、今回の技術実証参加者について旅行後2週間以内に陽性が疑われる症状を発した人はいなかった。
情報提供:トラベルニュース社