https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF260I40W1A320C2000000/?n_cid=NMAIL006_20210326_H
日本経済新聞社様より
赤羽一嘉国土交通相は26日の閣議後の記者会見で、都道府県独自の旅行需要喚起策に対し、4月1日から1人あたり1泊につき最大7000円を支援すると発表した。都道府県境をまたがない旅行を対象とする。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた旅行自粛のため、旅館やホテルなどの観光事業者は苦境が続いている。政府は感染の落ち着いた地域から旅行需要の回復を支える。
新規感染者数や病床の逼迫度合いなどの指標が4段階のうち下から2番目の「ステージ2」以下となっている都道府県の独自策へ補助をする。旅行者1人1泊につき旅行代金の半額分を最大で5000円支援する。土産物店などで使える地域共通クーポン券を配るといった取り組みにも最大2000円払い、合計で最大7000円を支援する。
5月まで都道府県が住民による各都道府県内の旅行を後押しするために設けた独自割引を支援する。政府は新型コロナの「第3波」などを受け、2020年12月末から旅行支援策「Go To トラベル」を全国で一時停止している。感染が全国的に落ち着かず、トラベル事業の再開が難しい状況が続けば、6月以降も独自割引の支援を続けることを視野に入れる。
トラベル事業の予算を使い、総額3000億円を支援する。独自の県内観光割引策などを行う都道府県は27あるという。
足元では宮城県で感染が再拡大するなど、感染状況は都道府県によって異なる。赤羽氏は記者会見で「全国規模での移動を前提とするトラベル事業は当面難しい」と述べた。そのうえで「旅行需要の減少により観光事業者はダメージを受けている」とも語り、政府の支援を受けて旅行需要の喚起に取り組むかどうかの判断を都道府県に委ねる考えを示した。
全国知事会からは感染状況の落ち着いた都道府県の県内旅行の支援を要望する声が上がっていた。