お役立ち情報
2023/8/10
中国、訪日団体旅行を解禁へ 8月10日にも
より
中国政府が日本行きの団体旅行を解禁する方針であることが9日、分かった。複数の関係者によると、在日本中国大使館が日本外務省に対して同日、10日に団体旅行を解禁すると文書で伝達した。
中国は足元で景気が低迷しており、日本との経済交流を拡大したい思いは強い。12日に日中平和友好条約の締結から45年になるのを前に、関係改善に向けた動きを作る狙いがあるとみられる。
中国政府は今年2月、約3年ぶりに中国人の海外団体旅行を解禁した。段階的に対象国を増やし、現在は約60カ国ある。東南アジアやアフリカ、南米などの新興国が多いが、日本は含まれていない。
日本への個人旅行は許可している。ただ個人の訪日旅行客の場合、一定額以上の収入が必要になるなど日本政府側のビザ発給の条件が厳しい。団体旅行は申請条件が比較的緩く、解禁されれば中国からの訪日客数が大きく増えることが予想される。
実際に10日から団体旅行の申請手続きなどが始まるかどうかは不明だ。
日本政府観光局(JNTO)によると、中国本土からの訪日客はピークだった2019年に約959万人となり、訪日外国人(インバウンド)全体の3割を占めていた。
観光庁の19年時点の訪日外国人消費動向調査によると、観光・レジャー目的で訪日した中国人の30.3%は団体ツアーだった。
中国からの団体旅行が解禁されれば、小売りや運輸、ホテルといった関連産業の活性化につながりそうだ。一方で深刻な人手不足から、受け入れ体制に課題が残る。外国人旅行客の増加に伴ってホテル価格が上昇しており、さらなる高騰につながる恐れもある。