リアル旅の実現に向けて
2019年12月、中国・武漢での集団肺炎が報告された翌年1月には日本国内でコロナの初感染者が確認され、WHOが緊急事態宣言をし、コロナのパンデミックが世界を覆い丸2年。人の移動を伴うツーリズムは世界中で制限され、コロナと共生する日常も3年目をむかえようとしています。
日本添乗サービス協会(以下、TCSA)の会員会社に所属する1万名近い添乗員の業務は皆無となり、TCSA会員各社は休業支援金、雇用調整助成金、持続化給付金など、政府のあらゆる支援策を活用しながら何とか今日までしのいできましたが、昨年末と今年度初めからオミクロン株による感染が急拡大し始めています。
こうした状況下、旅行会社が新たに取り組んだ大型ワクチン接種会場業務や国家試験会場での試験官業務などに添乗員を活用する会員会社も出てきています。「添乗」を通して身に付けた優れた接遇スキルが大変好評を博している、と言われています。
昨年秋ごろより、教育旅行をはじめ国内旅行が多少動き始めたことからTCSAではウィズコロナ時代の添乗再開に当たり、旅行会社への要望事項をまとめJATA(日本旅行業協会)に提出することにしています。
旅行参加客の一番近くにいるベテラン添乗員による座談会を昨年実施した折の彼らの発言を基に、TCSAでは「安心安全な新しい旅の実現に向けて」と題した「安全管理上の統一ルール案」を次の通り策定しました。
(1)ツアー参加客および添乗員が、旅行開始後発熱した場合の対応について
(2)添乗中、参加客と添乗員との接触を回避する術として、オプショナルツアーや弁当代金の集金、物品販売など現金収受は行わない。また、宴会の手配までを業務とし、同席はしない
(3)代替添乗員派遣費用の取り扱いについて
以上3項目について基本的な考え方を事前に業界間で決めておくことにより迅速な対応が可能となると考えています。
人の移動の制限を受けオンラインツアーが登場し、インターネットでの映像旅行が可能となりWEB旅行社も出現しているとのこと。
しかしながら、「旅の魅力」といえば、人との出会いと交流が大きい部分を占めており、やはりリアルの旅が自由に安心してできる日常が一日も早く訪れることを心より待ち望んでいます。