添乗集団 夢屋

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2022/9/17
「全国旅行支援」今秋中にも開始 政府検討、観光促す

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA151CQ0V10C22A9000000/?n_cid=NMAIL006_20220915_Y

より

政府は今秋中にも観光促進策の「全国旅行支援」を始める検討に入った。10月をメドに海外からの個人旅行客受け入れを解禁し、米国などからの査証(ビザ)なしの短期滞在を認めるといった水際対策の緩和にも踏み切る。国内外の観光客を増やし経済を底上げする。

全国旅行支援は旅行先が出発地の近隣地域に限られる「県民割」から切り替え、全国への旅行を対象にする。代金の割引とクーポン券をあわせて1日1人あたり最大1万1000円を補助する。

新型コロナウイルスの感染状況や秋冬の観光需要を踏まえて判断する。

補助額がより多かった「Go To トラベル」を当面再開しない代わりの措置と位置づける。制度の導入可否は都道府県が判断するしくみとする。夏の開始をめざしたものの感染拡大を理由に見送っていた。

クレディ・スイス証券は2022年の日本人の旅行消費額が17兆5000億円になると試算する。21年の9兆2000億円から増える。23年にはコロナ禍前の19年の26兆8000億円に迫る24兆1000億円まで拡大すると見込む。

政府は全国旅行支援と同時期もしくは先立って10月をめどに新型コロナの水際対策を緩和する。為替相場が1ドル=140円を超える円安を生かしインバウンド(訪日外国人)消費の拡大を狙う。

現在は1日あたり5万人の入国者数の上限をなくす。団体ツアーなどに限っている観光目的の入国を個人に広げる。

米国などからは査証(ビザ)なしでの短期滞在を認める。いまは全ての外国人にビザの取得を義務づけている。コロナ禍前は米国など68カ国・地域からの最長90日の短期滞在なら免除していた。同様の対応に近づける。

日本に新規入国した外国人は3~8月の6カ月間でおよそ59万人だった。感染拡大前の19年3~8月の1497万人の4%ほどにとどまる。今年8月は9万9857人と前年同月比で5.8倍になったもののコロナ禍前の水準には遠い。

一連の施策で観光業や地方の宿泊・飲食など関連産業を押し上げる効果を見込む。旅行各社や観光業界は需要の回復を期待し、中断していたツアーの再開や人員増を見据える。

日本旅行は23年春、コロナ禍で20年以降中断していた日本の桜をみるツアーを再開する計画を立てる。JTBも23年1月出発以降のインバウンド向けツアーの準備を進める。同社の担当者は「旅行先として日本の需要の大きさを感じている」と語る。

星野リゾートの星野佳路代表は「日本が水際対策を緩和した場合、相当なプラスの影響がある。円安も追い風になる」と強調する。

人員など受け入れ側の体制が課題になる。海外の空港で人手不足が問題になる例が出ている。航空会社幹部は「海外の航空会社が19年のレベルまで一気に乗り入れを増やした場合、日本側の地上業務が対応できるかという心配はある」と指摘する。

自治体も海外客の需要取り込みに動く。

愛媛県の中村時広知事は15日、県議会本会議で松山空港のソウル便の早期再開などに重点的に取り組む方針を示した。9月補正予算案に関連経費を盛り込んだ。「地域間競争に打ち勝つためにも、国際線ネットワークの維持拡充に取り組みたい」と述べた。

山梨県は海外からの観光客向けのツアーを手がける事業者への助成を本格的に始める。6月補正予算で計上していたが厳しい入国規制で休止状態だった。県内で2泊以上するなどの条件を満たすツアーに1人1日あたり1万円を助成する。

長崎幸太郎知事は「インバウンドを受け入れて経済を回した方がよい」と話す。